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失意泰然、得意冷然

持続的な1on1をするために気をつけていること

この記事は コネヒト Advent Calendar 2021 4日目 の記事です。

はじめに

最近のコネヒトでの近況を書くと、もともとエンジニアとして入社していてちょっと前まではEMのような働き方をしていましたが、今はプロダクト開発を行う1部門のマネジメントのロールをがっつり担当しています。

タイトルにもある通り、部門の全メンバーは15人ほどで全員と1on1をやっているのですが、たまに別の部署の人や同僚から「15人と1on1するの大変だし疲れたりしませんか?」といった質問を貰うことがあって、自分としては少しずつ慣れてきてあまり負担に思わなくなってきたため、そういった少なくない人数と1on1をする人向けに、私が気をつけていることを書いてみようと思います。

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以前、同僚マネージャーが会社のテックブログに1on1について記事を書いていて今でも有用だと思うのでぜひ読んでみてください。

それでは、さっそく本題に入っていきましょう。私が気をつけていることを2つ、取り上げたいと思います。

1. 1on1を日常の場にする

気をつけていること1つ目は「1on1を日常の場にする」ことです。ここでは主に自分にとって日常の場にすることを指しています。*1

ではどういうものが日常の場でない、非日常の1on1なのか?というと、例えば四半期に1度や半年に一度の1on1だったり、めちゃくちゃ準備に時間がかかる1on1だったり、普段ほぼ話したことがない人との1on1だったり、そういったものです。

15人と1on1をすると想像以上に自分の作業時間が減っていきます。仮に1人あたり30分を隔週(月2回)で行うと15人のメンバーがいる人なら月に15時間を1on1に割いていることになります。これが非日常の1on1なんだとしたら準備時間などの+αの時間が更に乗っかってきて大変になりそうですよね。

できる限り継続的に1on1を運営していくためにも、1on1が大変になりすぎないように気をつけています。ここでは、そのために私が気をつけている具体的なTipsを取り上げてみます。

① しっかりと定期的に開催すること

「今週はMTGがたくさんあって忙しい」「1on1の時間はメンバーの時間を奪っているから減らしたい」などそれらしい理由をつけて1on1をスキップしたり、不定期に実施していたりしていませんか? あるいはメンバーとの1on1を繰り返し予定で抑えていたけど、実は有給を取っていた日とかぶっていたことに直前で気づき翌週にリスケして・・・みたいなことを繰り返していたら気づいたら1on1がフェードアウトしていったり。

これを防ぐには「回転方式」でスケジュールを抑えるのがおすすめです。これは『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』で知ったので引用します。

ワン・オン・ワンは回転方式で次の予定を立てるのがよい。つまり、今やっているミーティングが終わる前に次のミーティングを決めるというように計画すべきである。そうすれば他の約束のことも勘案に入れられるし、キャンセルするようなこともなくなる。
HIGH OUTPUT MANAGEMENT』 p.134

私の場合、1on1の一番最初に次回の日程を押さえています。カレンダーを開きながら日程を調整しつつ、軽く雑談してアイスブレイク代わりにするのがおすすめです。
このやり方にしてからスケジュールの調整がかなり楽になりました。

② 無理をしないこと

2つめなのにもう具体的でなくなってしまいましたが()、次におすすめなのは「無理をしないこと」です。
マネージャーとして1on1をお願いする側になってから3年ほどが経ちましたが、最初はいろんな1on1の本を読んで意識が高まり以下のような状態になっていました。

  • 本質的な会話を引き出さなくては
  • ネクストアクションを決めなくては
  • 本人のモチベーションや成長につながる時間にしなくては

もちろん、毎回の1on1をこういった場にできるのであれば最高ですし、1on1の達人ならもしかしたらできるかもしれません。
しかし、例えば私のように自分よりもキャリアの長いメンバーと1on1をすることがあったり、頻度多めに毎週1on1をしていることがあったりするのであれば、もっと肩肘張らずに楽しい時間にすることを優先するのがいいかもしれません。
タスクの進捗報告や愚痴や不満を聞く場、雑談の場になっても全然いいと思っています。毎回ホームランを狙うのではなくて、たまにヒットを打つぐらいでいい、なんなら打席に立ち続けることの方が大事かもしれません。

2. 1on1を発見の場にする

「1. 日常の場にする」の次、気をつけていることの2つ目は「発見の場にする」ことです。

何の発見か?というと、解決すべき重要な組織課題のタネだったり、各メンバーの知らなかった特性だったり、成長のポイントだったり、そういったものです。
1つめで書いたとおり日常の場にすることも大事なのですが、慣れてきたら徐々に発見の場にできるようにしていきましょう(私はまだ全然ですが...)。

最初の頃は「1on1を日常の場にするぐらいなら、いっそやめて時間を自由に使えるようにしたほうがいいのでは?」と思っていた時期もあったのですが、今はそうは思っていません。
なぜなら、例えば部門の全メンバーの業務効率を上げることができる重要な課題に気づける可能性があったり、各メンバーの特性に合わせて組織づくりができるようになったりすることで、使った時間(月に15時間)の何倍も業務効率化などの成果につながる可能性があるからです。

発見の場にするために私が意識している具体的なTipsを取り上げてみます。

①傾聴

冒頭であげたテックブログの記事にある1on1シートや、事前の1on1のリマインドなどを活用して、できる限り話すトピックを事前にメンバーに考えてきてもらうようにしています。また、そのトピックをしっかりと聞くように意識しています。
様々なトピックを話すことは発見のための重要な要素なので、仮に共感できなくても持ってきてくれたアジェンダを受け入れ理解することを一番大事だと思って、メンバーが話しやすい環境を作っていきましょう。

ただ... 気づいたら自分がめちゃくちゃ喋っていることが多いので反省しています😇

②全力で応えること

次に「全力で応えること」を意識しています。これは自分の能力と関係なく唯一誰でもできる誠意ある対応です。
いろいろな1on1の書籍を読みましたが、比較的「ベテラン上司と新人社員」という構図での1on1が多く、上司の方が答えを知っていてそこにいかに導くか、自分で気づいてもらうかという前提で話が進むものが多いなと感じています。
しかし、私のような状況だとむしろ答えがわからないことの方が多く、一緒に悩んだり、生煮えの答えを出して意見を貰ったりすることが多くなります。そのような状況において「この人は自分がぶつけた質問・相談・悩みに対して、全力で応えてくれている」と思ってもらえるかどうかは、その後の1on1の充実さと非常に強い相関があると思うので、とても意識しているポイントです。

こういった姿勢がお互いの信頼関係の醸成に繋がり、話しづらい話もできるような関係性が生まれ、それが巡り巡って新たな発見につながると考えています。

以上、15人と有意義な1on1をするために気をつけていることでした!

*1:もちろん1on1に参加する双方にとって日常の場になることも大事